TER鉄道交通研究所

鉄道を中心に交通機関に関する様々な考察をしていきます。YouTubeでは駅名記憶向上委員会の関連動画をupしています。ぜひご覧くださいhttps://www.youtube.com/channel/UCfRh5GcpH0V1fUf2paQPu1g。

#最寄り駅から2本で行ける最遠の駅 北海道内の全駅調べてみた

北海道内にある全ての駅について2本で行ける最遠の駅を調べてみました。

 

「2本で行ける最遠の駅」の定義は以下の通りとします。

  • 乗り換え1回(列車2本)以内でたどり着ける駅の中で、到着に必要な乗車距離が最も長い駅
  • 利用する交通機関は鉄道の定期列車のみとする。
  • 乗り換え時間や列車本数は問わない。
  • 名駅でなくても、乗換検索アプリ等で乗換駅と判定されている場合は乗換駅とみなす。(例:札幌-さっぽろ、新札幌-新さっぽろ)
  • 出発地点の駅の近隣に徒歩乗換可能な別名駅があっても、その別名駅を出発地点にはしない。
  • 2024年4月時点でのダイヤを参考にする。(根室本線の一部廃止は反映済み)

 

調査結果は以下のようになりました。黒い線は支庁境界を示しています。

(赤→稚内 水→札幌 緑→東京 橙→釧路 青→新札幌/新さっぽろ 灰→その他)

 

駅が密集している札幌市周辺が分かりづらくなっているので拡大版も載せます。こちらの黒い線は市や区の境界を示しています。

 

1.稚内駅 171/420駅 40.7%

2本で行ける最遠の駅として最も多かったのが、日本最北端の駅である稚内駅です。札幌駅から1本で行ける最も遠い駅は稚内駅になるため、札幌近郊の多くの駅が該当します。他にも、釧路方面の特急停車駅や、滝川~富良野間の根室本線富良野線などの駅が該当します。

 

2.札幌駅 68/420駅 16.2%

北海道最大の駅である札幌駅が2位にランクインしました。札幌から離れた地域の特急通過駅や、函館市電の各駅が該当します。(特急停車駅の場合は札幌で乗り換えてさらに先に行けるため)

 

3.東京駅 45/420駅 10.7%

新函館北斗駅木古内駅から北海道新幹線で行ける東京駅です。函館近郊の駅や特急北斗号の停車駅が該当します。

 

4.釧路駅 36/420駅 8.6%

札幌から千歳方面に向かう列車の中で最も長い距離を走るのが特急おおぞら号で、その終点が釧路駅です。函館本線豊幌~砂川間の特急通過駅、深川駅、宗谷本線の特急停車駅、地下鉄東西線の各駅が該当します。札幌以北の函館本線について、豊幌より南側の駅は稚内に行く方が遠く、滝川より北側の特急通過駅は札幌に直通できず、特急停車駅は網走で釧網本線に乗り換えてより距離を稼ぐルートが成立するため、豊幌~砂川間の特急通過駅となります。

 

5.新札幌/新さっぽろ駅 31/420駅 7.4%

JRの新札幌と地下鉄の新さっぽろをどう扱うか悩みましたが、1つの駅としてまとめて集計しました。JR新札幌の方は釧網本線の網走寄りの駅が該当します。札幌へは網走乗換でも行けますが、新札幌へは乗換1回で済ませようとすると釧路経由しかないため、到着に「必要な」乗車距離が最も長い駅は新札幌となります。地下鉄新さっぽろの方は市電の駅が該当します。縮尺の関係で1点に見えますが、実際には19駅あります。(北海道が広すぎる…)

 

その他

6位 網走駅 23駅

宗谷本線と根室本線の一部駅が該当します。宗谷本線は旭川に直通できる音威子府以南の特急通過駅が該当します。宗谷本線の場合、特急停車駅は札幌経由で釧路まで行けます。根室本線新得~豊頃の特急通過駅について、釧路で釧網本線に乗り換えるのが最も距離を稼げる乗継となります。特急停車駅は札幌経由で稚内まで行けて、豊頃より釧路寄りでは札幌に出る方が遠いためです。

7位 白糠駅 10駅

白糠駅は釧路の約20km西側にある根室本線の駅です。網走を除く石北本線の特急停車駅が該当します。札幌で特急おおぞら号に乗り継ぐルートです。おおぞら号の終点である釧路駅は網走経由で近道できますが、1つ手前の白糠駅は乗換1回で行くには札幌経由しかないためです。

8位 岩見沢駅 9駅

釧網本線東釧路~摩周間の各駅が該当します。網走駅で特急オホーツク号に乗り継ぐルートです。(札幌へは釧路経由の方が近道)

9位 南小樽駅 6駅

室蘭本線長万部~有珠間の特急通過駅が該当します。苫小牧で小樽行きに乗り継ぐルートです。(小樽へは長万部経由の山線の方が近道)

10位 函館駅 5駅

日高本線の各駅と、網走駅、石勝線の川端駅が該当します。川端駅は南千歳で、日高本線は苫小牧で特急北斗号に乗り継ぐルートです。網走駅については、乗換1回以内で札幌~旭川~網走~釧路~新得~札幌ルートのほぼ全駅に行けてしまう関係で、このルート上の駅では東回りか西回りで最短経路が見つかってしまい距離を稼げません。そこで、このルートから外れる函館駅が「到着に必要な乗車距離が最も長い駅」となります。

10位 塩谷駅 5駅

塩谷駅は小樽駅の隣です。室蘭本線伊達紋別東室蘭間の特急通過駅が該当します。長万部で小樽行きに乗り継ぐルートです。(小樽へは苫小牧経由の海線の方が近道)

12位 滝川駅 4駅

函館本線長万部蘭越の途中駅が該当します。函館本線(山線)で長万部~小樽の普通列車しか来ず、札幌にも新函館北斗にも直通できない区間になります。

12位 東釧路駅 4駅

函館本線岩見沢~滝川の特急停車駅が該当します。網走駅で釧網本線に乗り継ぐルートです。(釧路へは札幌経由の方が近道)

14位 博多駅 2駅

東京駅に直行できる新函館北斗駅木古内駅が該当します。

15位 小樽駅 1駅

南小樽のところにも塩谷のところにも登場していない長万部東室蘭間の駅が一つだけあります。長和駅です。長万部~小樽~札幌~苫小牧~東室蘭長万部のルートで小樽駅のほぼ対極に位置するのが長和駅になります。*1

 

「到着に必要な乗車距離が最も長い駅」というルールを厳格に適用している関係でかえって分かりづらくなってしまいましたね…分かりづらかったら遠慮なくコメントで質問してください。

*1:長和~長万部~塩谷は184km、長和~長万部~小樽は191.7km、長和~苫小牧~小樽は188.7km、長和~苫小牧~南小樽は187.1km